南箱根タントンハウスのグランドピアノ

全国的にグランドピアノが置いてあり、自由に演奏ができる貸別荘の施設は、さほど多くはありません。

今回は、南箱根タントンハウスのグランドピアノについてご紹介いたします。

当貸別荘には、ディアパソン製のグランドピアノ(昭和46年製。令和4年3月オーバーホール済み)が設置してあります。ディアパソンピアノは、日本が戦後の焼け野原で、ピアノ自体がほとんどない昭和23年に“日本でヨーロッパ製のピアノに負けない理想的なピアノを”という高い目標で、当時、天才的技術者と言われた大橋幡岩氏(当時のヤマハの技術部長)が、ドイツのベヒシュタインピアノをモデルにしつつ、理想的なピアノをめざして設計、製作されました。志が非常に高いピアノです。

大橋氏は、採算や手間を度外視して「自分が理想とするピアノを造りたい」との思いで、同氏が学んできた世界三大ピアノの一つであるベヒシュタインで培ったノウハウを思う存分に注ぎ込こんで誕生しました。まさに氏の大きなこころざしが、正統なヨーロッパピアノの響きを土台としながら、日本産まれのピアノとして開花したものです。設計者である大橋氏の思想と技術をそのまま受け継ぎながら、今もなおディアパソンピアノの製作は続けられています。

今でも少量生産(年産50台以下)故にディアパソンの伝統は守られ、大橋フレームと呼ばれる独自のフレームや伝統的な木製アクション、消耗部品にはドイツ製の最高級品を使用しながら、譜面台や脚もひと手間余分にかけた仕上げになっています。長くカワイ楽器の子会社として存在していた株式会社ディアパソンでしたが、親会社のカワイ楽器の全社的な合理化によりカワイ楽器に合併吸収され2019年からカワイ楽器のブランドの一つになり、今に至っています。

南箱根タントンハウスでは、プロの音楽演奏や録音の専用施設ではありませんが、音楽をこよなく愛する方々のためにも、丁寧なメンテナンスを心がけながら、お客様のご要望にお応えできるよう努めています。

皆さまのご来訪を心よりお待ち申し上げております。