貸別荘設置のグランドピアノがオーバーホールされて新しく生まれ変わりました!

南箱根タントンハウスには、ご来訪の皆さまが自由に演奏をお楽しみいただけるグランドピアノが設置してあります。

当貸別荘は、音楽専用の施設ではございませんが、アマチュアの方やプロのミュージシャンを問わず、貸別荘ログハウスのお客様としてご滞在いただきながら、演奏をお楽しみいただいております。

なかには、高いメンテナンスを求められるお客様もいらっしゃいますが、昭和46年製造のグランドピアノであり、湿度などの影響を受けやすいログハウスでの設置ということもあり、なかなか高いご要望にはお応えするのが難しい状況にございました。

しかしながら、この度一念発起をいたしまして、ご来訪いただくお客様のためにも当施設のグランドピアノをオーバーホールいたしました。限られた期間内で、しかも施設と工房を往復をしていただきながら、丁寧にオーバーホールを手がけて下さった、飯田ピアノの飯田様と西尾ピアノ技研の西尾様には、大変お世話になりました。

今回のオーバーホールは、チューニングピンやピンブッシュなどの付帯部品も含めた全弦交換、およびハンマーローラー(ナックル)の全交換を実施いたしました。製造後の50年間を経て、音色づくりに重要なハンマーはある程度の摩耗が見られましたが、もともとドイツレンナー社の高級ハンマーが採用されており、作りの良いハンマーは摩耗が進行していても整音整形作業により再生し、正しい発音が期待できると判断して古いものを温存しながら調整することとなりました。

結果的に発音はとても良いものとなり、あわせて実施した整調(アクションの運動量調整)と相まって素晴らしいタッチと音色を実現することができました。これが本来のディアパソントーン!

オーバーホールを担当いただいた飯田様も、「大橋氏が生き返ってこれを聞いたら『うん、なかなかいいぞ。合格だ!』と言うに違いありません」とおっしゃって、胸を張っていらっしゃいました。

当初、ピアノをログハウスの施設からクレーンにて屋外に搬出し、ピアノ工房での作業を検討いたしましたが、多額な費用がかかることと、限られた期間に作業が完了できないといったことから、施設内の現場にて作業を実施するという、他ではめったにない方法を採って作業が進められました。

湿気の影響を受けやすい山間のログハウスという環境条件から、経年劣化による消耗および錆の発生、象牙鍵盤の剥がれや黄ばみなど、オーバーホールの過程でピアノを分解して細部を観察しますと、傷んだ個所がどんどん出てきて作業は難航いたしました。

ペダル部分にも雑音があったため、分解修理を施しました。ペダル突上げ棒とペダルケース支え棒は錆が見られたため、メッキの再塗装も行いました。

その他、アクション部品の欠損や不具合なども、ひとつひとつ丁寧に修理して、オリジナルの性能を取り戻せるよう作業を進めていただきました。

ピアノは、保管状態やメンテナンスはもちらんですが、ご利用の状況にによってもさまざまに変化いたします。これからもよい状態を末永く保っていけますよう努力いたしますので、皆さまのご協力と応援をよろしくお願いいたします。

そして、ぜひ南箱根タントンハウスにご滞在いただき、生まれ変わったディアパソンのグランドピアノの音色を楽しみに来てください。皆さまのご来訪を心よりお待ち申し上げております。